ポートフォリオ カンバン ボードの設計

ポートフォリオの今日の動作の調子はいかがですか。それぞれのプロジェクトで何が起こっているか把握していますか。開始したプロジェクトはどれですか。行き詰っているのはどのプロジェクトですか。プロジェクトで、可能な限り素早く価値が実現されていますか。チームは常に、最優先事項に一番エネルギーを注いでいますか。着実に前進するために十分な情報を無駄なく準備していますか。

ほとんどのポートフォリオに関しては、これらの質問に上手く回答することは困難です。1 つまたは 2 つのポートフォリオのカンバンを使用すると、ポートフォリオのフローの最適化に役立ちます。最も重要な作業にエネルギーを集中させることにより、高い価値のある作業をより素早く遂行することができます。

カンバン システムはとてもシンプルなため、とてもよく機能します。本質的には、カンバン システムは作業フローの管理に使用される、単なるビジュアル ボードです。多くのソフトウェア チームがプロセス管理にカンバン ボードを使用しています。ポートフォリオ レベルで同じ概念を使用することができます。

このボードを見ると、このポートフォリオについてどんなことがわかりますか。

  • 開始したプロジェクトはどれですか。待機しているプロジェクトはどれですか。
  • システムにボトルネックが存在しますか。どの列が最も遅いですか。
  • ディスカバリ作業を続行すべきですか。このポートフォリオは詳細な分析を行う必要がありますか。

ポートフォリオの現在の状態を素早く視覚化することは大きな価値を持っています。さらに高い価値を得るため、以下の 2 つのアクションを考慮します。

  • 進行中の作業を制限すると、より重要な作業をより素早く完了できます
  • (大きな作業インベントリを作成するよりも)作業準備ができたときにアイテムをプルすると無駄を減らせます

ポートフォリオのカンバンの設計

Agile の組織では、さまざまなレベルでカンバン システムを使用できます。たとえば、イニシアチブ カンバンでは、チームのストーリー レベル カンバンにデータを提供する、機能カンバンにデータを提供することができます。

以下に、開始時の考慮事項をいくつか示します。

イニシアチブやプロジェクトでいっぱいのカンバン

ポートフォリオ管理にカンバンを使用するのが初めての場合は、イニシアチブ(プロジェクト)レベルでの作業を推奨します。CA Agile Central では、イニシアチブとは通常、数か月で完了できる、明確な成功基準を持つ作業のセットです。イニシアチブは、1 つまたは複数のチームで完了することができ、少々バージョンが上がったソフトウェアをリリースする場合があります。各開発チームは、独自のカンバン ボードを持つ必要があります。

イニシアチブ レベルでカンバンを使用する主なメリット

  • ほとんどの組織が、同時にあまりに多くのプロジェクトを処理しているため、本来進める速さより進みが遅れています。このレベルでのカンバンは、この問題を解決できます。
  • リソース管理を継続的に行っており、かつプロジェクトの進行を保とうとしている場合、イニシアチブ WIP の管理によりこのアクティビティがずっと簡単になります。

機能または拡張機能でいっぱいのカンバン

当社における CA Agile Central の場合のように、リリースを頻繁に出している場合は、市場性のある各機能を有効にするプロセスを追跡する際に、イニシアチブの下のさらなるレベルのカンバンからメリットが得られる可能性があります。以下は、CA Agile Central において当社で使用しているボードの一部です。

このレベルでカンバンを使用する組織は以下のことに気づきます。

  • 何がもうじき配信されるかが簡単にわかる。
  • チームが頻繁に(日ごとまたは週ごとに)機能を SaaS または IT システムに配信している場合、このレベルのカンバンは、さまざまなユーザのグループに対してどの機能がオンにされているか追跡するのに役立つ。
  • 記録、トレーニング、マーケティングなどの有効化アクティビティはバッチ処理ではなく機能の可用性によって動かせる。
  • 初期段階で機能を把握すると、外部アクティビティをジャスト イン タイムで計画しやすくなる。たとえば、新機能が価格変更または Web サイトの変更を必要としている場合、このボードはそのプロセスを正しい時期に開始するのに役立つ。

実装、コンテンツ、またはプロフェッショナル サービス プロジェクトでいっぱいのカンバン

医学研究とテレビ ゲームの開発にはどんな共通点がありますか。両者は、コア エンジンと実装に関する別々の開発に携わっている可能性があります。

医学分野では、研究は、プロフェッショナル サービス グループにより数週間のうちに設定される可能性があります。

テレビ ゲーム分野では、ゲーム エンジンが構築されたら、アニメーション、サウンドなどの大量のコンテンツに関して、エンジンに対してたくさんの手順を繰り返して適用する必要があります。

このレベルでのカンバン システムは、以下のことに役立ちます。

  • コンテンツまたは研究が完了するスピードを上げる。
  • 面倒なプロジェクト管理をシンプルなプル システムに置き換えることによって、コーディネーション オーバーヘッドを削減する。

スタート ガイド

ポートフォリオのカンバンを設定する際に考慮すべき重要事項が 3 つあります。

  • ボード上の
  • アイテムを移動するために満たされる必要があるポリシー
  • ボードでの作業に使用する定例ミーティング

ポートフォリオのカンバンをすぐ始めるには、製品管理チームまたは PMO の何人かの主要なリーダーを招集します。

最初の列の検討

現在進行中のすべてのイニシアチブについてブレインストーミングします。たとえば、以下のようなプロジェクトを考えます。

  • メンテナンス モードがアクティブ
  • 配信したばかり
  • すぐ配信する予定
  • テスト中または修正中
  • ほとんど完了しているが、特殊なリソースを待機中
  • 保留中または行き詰っている
  • 十分に進んでいる
  • 初期調査段階
  • 活気づいてきているが、続行する価値があるのかまだわからない
  • 本題から離れたところで、または内密に実行されている

これは、ウォールに付箋を貼りながら行うのが最適なアクティビティです。ほとんどすべてのアクティブなプロジェクトを挙げたと感じたら、類似した状態にあると思われるプロジェクトをグループ化し始めます。

これらの状態は、カンバン ボード上の最初の列になります。CA Agile Central において、当社ではイニシアチブ ボードに 6 つの状態を設けています: バックログ、Initial Customer Validation、Assessing、準備完了、Building、Collecting Evidence。

CA Agile Central カンバン コーチは、結果を早く得られるように、ポートフォリオのカンバンの設計プロセスを組織にオンサイトでご説明します。このサービスがこれまで競合他社にどう役立ってきたのかを学びます。

現在のポリシーを思い出す

お客様側で、プロジェクトがそのライフ サイクル内を進むにつれ、どのような手順が必要かを示す、詳細なソフトウェア開発プロセスを既に定義している場合があることでしょう。多くの組織では、このようなプロセスは非常に細かくなっており、多くの手順が無視されてしまいます。 従業員が実際に従うシンプルなプロセスは、誰もが避ける複雑なプロセスよりも厳格なものになります。

カンバン システムでは、シンプルなポリシーで、アイテムがボード内を移動できる場合を定義します。ポリシーはシンプルであればあるほど、守られやすくなりますが、本当に重要なアクティビティが表されることを確実にしてください。各ポリシーを、アイテムの移動前にチェックされる必要のあるシンプルなチェックリストとして考えます。機能レベルのいくつかのポリシーの例を以下に示します。

バックログ 分析 Dev の準備完了
終了基準
準備ができたらプル
終了基準
- ストーリー バックログが定義済み
- 見積もり済み
- 値とメリットが明確
- P&P インパクトはあるか
- Web サイトの変更は必要か
- 高度な設計(該当する場合)
- アーキテクチャ評議会による確認
終了基準
- 最初のストーリーに対する詳細な設計
- P&P 委員会に通知(必要な場合)
- Dev が最初のストーリーをプル

このグループは、さらに詳細で、理想主義的なポリシーのリストを開始時に使用していました。ビジネス ケースは、顧客インタビューや競合分析などを行う前に定義されていました。数か月後、彼らはこれが実際の作業の様子を反映していないことに気付き、実際のプロセスを反映するようにポリシーを更新しました。以下にポイントを示します。

  • 初期段階のポリシーを満たすのは容易です。顧客の検証を開始する前に、問題の説明を定義し、テストする予定の仮説をリストする必要があります。多くの場合、これは数分で済みます。
  • 顧客の検証段階もシンプルで、目標はイニシアチブに対する最初のバックログを作成することです。
  • ビジネス ケースは、誰かが顧客と話すまでは作成されません。
  • ポリシーは短く、読みやすく、チェックリストとして使用できます。

CA Agile Central のアジャイル コーチである Eric Willeke は、既存のポリシーを最初に取り込むようにし、現在実際に行っているものにのみコミットすることを勧めています。

最初の試行では、ポリシー(または列)を正しく取得できない可能性があります。カンバン ボードは、何が稼働しているか、ボトルネックがどこにあるかを学ぶにつれて変化する、生きているシステムです。

ポリシーの長さは本当に重要か

1 列につき 10 個までのシンプルな箇条書きが妥当ですが、5 個より多いアイテムができると、従業員がポリシーを理解する可能性が下がります。CA Agile Central において、当社ではさまざまなポリシーの長さを使用して実験しました。あるときは、スプレッドシートに、さまざまなグループのアクティビティを各列に 15 ~ 20 個程度定義したポリシーがありました。結果ですか。全員がポリシーを無視し、規律なしでアイテムを前に進めるだけでした。ボードで見ることができるシンプルで簡単なチェックリストは作業時に使用することがずっと簡単なため、従われやすくなります。

カレンダーで時間を見つける

カンバンのような継続的フローのシステムは、バッチ ベースのプロセスでのように固定の間隔で行われるミーティングを必要としません。スケジューリングの課題は、プロジェクト管理部門や製品管理チームをすぐに招集することを困難にする可能性があります。高度なアイテムは列の間を移動するのに数週間または数か月間かかるため、ボードを確認する定例ミーティングを確立するのに役立ちます。

  • イニシアチブ レベルでは、月ごとのポートフォリオ評議会を行い、ポートフォリオの状態について利害関係者に常に共有しておき、製品管理チームとの隔週の確認および準備のミーティングでボードが最新のものであることを確認することができます。
  • 機能または機能拡張のレベルでは、リリースのプロセスと確認ミーティングを合わせることができます。リリースが毎週発生する場合は、有効化のアクティビティを調整できるように、リリースの数日前にプロダクト オーナーおよびマーケティングを週ごとに 10 ~ 15 分間招集することもできます。

ポートフォリオのカンバンを使用してスピードを上げる

カンバンを上手に使用する鍵は、進行中の作業(WIP)を制限することです。進行中のアイテムの数を減らすと、アイテムを素早く完了することができるようになります。

最初にどの列を制限するか

イニシアチブまたはプロジェクト レベルのカンバンのほとんどは、アクティブな開発作業が発生している[Building]列または[In Development]列を含んでいます。この列は、最初の WIP 上限の候補に適しています。

準備完了時に新しいイニシアチブをプルする半固定の職務横断型チームがある場合は、始点として持っているチームの数に WIP 上限を設定することを検討してください。多くの場合、複数のチームが共同でイニシアチブに取り組むと作業は早く進みますが、1 つのチームにとっては、他のイニシアチブに取り掛かるときにあるイニシアチブを終えることが普通です。

固定のチームがない場合はどうなりますか

多くの組織は、職務横断型のチーム間で作業フローをとるという状態ではありません。この場合は、どこかから開始する必要があります。開発者、テスター、および他のチーム メンバの数を足して 7 (平均的なチーム サイズ)で割ります。これを開始時の上限として使用します。

WIP 上限を超えている場合はどうなりますか

カンバン ボードはシステムが制御不能であることを示します(I Love Lucy」の有名なシーンのように)

Lucy の山積みになっているチョコレートは目に見えますが、山積みになっているプロジェクトは見えません。システムのスピードを上げることは役に立ちません。役に立つのは、ラインを停止することです。さらに多くのイニシアチブを、「進行中」状態に入らないように止めることが必要です。一般的に、チームおよびリーダーは、システムが上限を下回っている場合にのみ新しいイニシアチブがプルされる可能性があることを知る必要があります。

リソースがたくさんありすぎるプロジェクトの全体に同時に分散されるため、プロジェクトの大半の進みが遅くなっているという可能性があります。従業員がアイテムの処理にエネルギーを集中できるように、[Building]列に明確な優先順位を設定する必要があります。場合によっては、ビジネス価値に関係なく、一番早く完了できるアイテムに集中することが、最適な開始方法となります(詳細については、Don Reinertsen 著『The Principles of Product Development Flow』の 131 ページを参照してください)。

[開発]列が WIP 上限を下回っており、すべてのアイテムが日々進んでいる場合、システム内の他の列を見ることを始めても構いません。イニシアチブが開発へ移されるのを待機している[準備完了]列が左側にある場合、その列は WIP 上限の候補に適しています。多くの場合、チームがプルする準備ができているイニシアチブを少なくすることは良いアイディアですが、このキューはアイテムの開始へのコミットメントを暗示するため、機敏性が下がります。

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